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引き続き待機

前回の投稿から、またまたかなり時間が経ったが、結局、ロシアのウクライナ全面侵攻などもあり、インフレはまったく収まらず、景気減速の中でもFedがブレーキを踏み続けるという異例の引き締めサイクルとなっている。インフレや雇用関連のデータがちょっと弱い度にFedのブレーキが緩むという期待が出るようだが、基本的にインフレ上昇の懸念の息の根を止めるまでは、とか議長が言ってるからには(おまけに少し前はヘッドラインを重視するとか言っていた)、Fedのブレーキは緩むことはなく市場も冴えないだろう。

あまりに美しいSticky-Price CPIの上昇カーブ

当のインフレに関して言えば、景気は弱含みの兆候はあるものの、ロシアの戦争は当面収まりそうもないどころか、最近のパイプライン破壊、OPEC+減産の騒ぎを見ても分かるように、エネルギーのきつくなる冬季を控えて一段の騒ぎを起こして価格高騰を図る可能性が高い。少々の下振れがあったとしても簡単に安心するべきではない。

ロシア

前回の記事以来で最大の事件がロシアの全面侵攻だった。欧州系のロシアウォッチャーは(そして私も)、あったとしても東部の限定的な侵攻しか予想していなかったが、皆さん軒並みクビに冷たいものを感じたことだろう(私は仕事は直接には関係なかったので、命は無事だったが、それでも冷たい風が通りすぎていった)。

重要なポイントは、ロシアの完全なファシスト国家への急激な転落、攻撃とその目的の規模、そして欧州世界の入り口での中世じみた残虐行為、でこれらの内の最後の2つはウクライナが当初の見立て通り短期間で崩壊していれば、今ほど問題にもならず、適当な制裁で切り抜けられたかもしれないが、ことここに至ってはロシアの国際社会と自由な交易への復帰は、早くても次の次の政権まで待つことになりそうである。エネルギー価格も早期に落ち着くことは困難であるように思う。

ロシアの変貌については、セルゲイ・メドベージェフ教授が簡潔に書かれている

利上げ

Fedが壊し屋になったら、本当に壊すまでやる、と思うべきだ。政治的な圧力はあるかもしれないが、パウエル御大も甘い人物にはみえない。したがって、現在の金利上昇(割引率の上昇)による株価下落の後は、景気後退に伴う業績の下方修正による下落があると見るべきだろう(もうAMDなど、一部ではじまっている)。P/Eもまだ歴史的に対して低くはないし、利上げが止まるまでは、全般的には様子見が適切であるように思う。

個人的には、ずっとポートフォリオは絞りっぱなしで、機会主義的に食糧関係(MOSとか、CNHI、CTVA、BG、DE、ICLなど)に少しだけ手を出したりしたが、インフレ関連もニュースフローで大きく動くリスクと、Fedによって最終的に討伐される(かもしれない)ことを考えると安心して投資できる対象ではないかもしれない(まだ、持っているのもあるが)

(米国)株はまだ割安ではない。よい子の逆張りは日本かも

というわけで、当面はほんの少しずつ大きく売られ過ぎ(に見える)ものを拾うか、ごく少額ずつ積み立てでも始めるか、お休みして本でも読んでいるのがよいのではないかと思う。

Published in株式経済

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